VOL.3 相手に対し「やる気が感じられない」と言うその前に…
「気分が優れない」「倦怠感が抜けない」等、相談された時どのような対応をしていますか?
多忙な状況やOJTの場面では「真剣に仕事に向き合っていないからでは?」「意欲が足りないからでは?」と思い「やる気が感じられない」と一蹴していませんか?
もしかしたら、ゴールデンウィーク明けの社会人に発症しやすいと言われている「五月病」の可能性があるかもしれません。
「五月病」は正式名称ではなく医学的にはこのような病名は存在せず、精神医学的に生活環境が大きく変化した時、新しい環境に適応していく過程で心身に現れる不調で「適応障害」の1つとみなすことも出来ます。
この時期に冒頭のような相談を受けると「五月病だから一過性だろう」と済ませてしまうかもしれませんが、「気分障害」という精神疾患の可能性もあります。
気分障害には、比較的よく知られている「うつ病」や”暗いうつ状態”と”明るい操状態”を繰り返す「双極性障害」等があります。不調の程度は個人差が大きく、人によっては新しい環境に馴染めず、自分自身に違和感を感じている方も少なくありません。
だからこそ一過性等判断せず深刻に受けとめましょう。
簡単な仕事でも何らかの支障が現れ、顕著になるようであれば精神科受診も考慮する必要があります。
五月病対策のポイントは「新しい環境にいかに適応するか」ですが、平成27年12月に施行された『ストレスチェック制度』のように、メンタルヘルス不調を未然に防止すること(一次予防)を主な目的としている制度も上手に活用することもお薦めします。